イケメン戦国 家康の彼目線 第5話

イケメン戦国徳川家康の彼目線ストーリーのネタバレ全文を載せます♪

この「彼目線ストーリー」同じ武将をもう一度選ぶことによって読めるストーリーです!

 

第2話も彼目線ストーリーだったのですが、アルバムに保存されると勝手に思っていてあとでもう一回読みながら書こうと思ったのですが・・・

「彼目線ストーリー」はアルバムに入らないようです(+_+)

なので5話は忘れずに書きました笑

 

家康第5話の彼目線ストーリーをどうぞ^^

第5話の前半、物語券5枚分のスト―リーです。

 

イケメン戦国 家康 彼目線ストーリー 5-1

(……くそっ)

床に転がされた家康はかすむ目を凝らした。

顔を隠した浪人たちは、

倒れた家康を放置し、酒盛りを始めている。

(……っ、動け、よ)

見じろぎするけれど、

思いつく限りの暴力を加えられた身体は

ぴくりともしない。

手足を縛られたまま、意識がもうろうとし始める。

(っ……下手したら、あばら何本かいってるな)

(血も、流しすぎた)

激痛を感じる一方で、どこまでも冷静に考えている自分がいる。

(あいつら…絶対、許さない)

――…声は、上げなかった。

 

殴られ、蹴られ、嘲笑を浴びる間、

沸きたつ怒りに任せ、ただ耐えた。

(お前らがどこのどいつだろうと…全員、殺してやる)

きつく噛んだ唇に、血がにじむ。

けれど意志に反して、視界はだんだん白んでいく。

(く、そ……)

残る力を振り絞り、首をかすかに振った時――

「……」

 

山小屋の壁に空いた穴の向かうに、いるはずのない人の姿がみえた。

(姫……)

(夢、か?)

(っ……夢でもいい)

(誰か、俺に……)

震える唇を、声もなく動かす。

『か……た――』

穴の向こうで、姫が必死に息を詰め、耳を傾けているのが見える。

『か……た、な…』

(このまま、じゃ……終われ、ない)

影の向こう側で、姫は家康の発した言葉を読み取った。

息を呑み、隣にいた光秀を振り仰ぐ。

光秀は黙って、姫に小刀を手渡した。

意図を理解して、姫は自分の腕が辛うじて通る小さな穴を見据えた。

 

刀をさやから静かに引き抜き、

手拭いを巻いて刃の方を握り、音を立てないように穴に通す。

息を殺し、姫は腕を伸ばせるだけ伸ばした。

家康に届くよう、ひたすらに祈りをこめて。

(あ……)

ぼやける家康の視界にこ刀のつかが飛び込んできた。

(っ………)

渾身の力を振り絞り、唇で震いつく。

勢いよく刀を引き寄せると、身をよじって拘束された手でつかみ、

間髪いれずに、足首をしばる縄をブツリと断ち切った。

敵「あ……?どうした、まだ身動きできる元気が……」

(うる、さい)

 

ためらいなく刃を手の平で握り、

がむしゃらに手首の縄も断ち切る。

傷ついた手でつか柄を握り、床に叩きつけて半身をおこす。

(うるさい……っ)

ぎり、と奥歯を噛んだ、その瞬間

(……!)

 

戸が蹴破られ、見知った織田軍の武士たちがはいってきた。

光秀「そこまでだ、お前達」

信長「その男、返してもらおう」

(信長様…光秀さん……)

敵1「っ…!お前達は…」

敵2「く…っ、渡してなるか、その前に家康を殺せ!」

(っ……ふざけるな)

痛めつけられた身体が悲鳴を上げるけれど、無視する。

怒りだけを力に這いずり、家康は息もせず敵を斬りつけた。

敵2「っ……ぐ……」

「――誰を、殺すって?」

(俺は、死ねない)

(こんなところで、死んで、たまるか)

 

イケメン戦国 家康 彼目線ストーリー 5-2

目を血走らせ、小刀を手に立ち上がる。

敵2「く、そ……」

足元で、たった今斬り伏せた男がうめく。

「――黙れ」

敵「……!」

容赦なく蹴り上げると、相手は意識を失った。

(……まだ、刀を振れる)

(そうだ、俺はもう――)

(踏みにじられて、膝をかかえて耐えてるだけだった、子どもじゃない)

深く息をし、痛みを意識の外へ追い出す。

怒りだけを支えに真っすぐに立つと、不意に視界がくっきりと澄み渡った。

信長「正気に戻ったようだな、家康」

「……はい。申し訳ありません。不覚を、取りました」

固い声で告げ、刀を構え直す。

敵は怯えたように、後ずさりを始めている。

(さっきまでの勢いは、どうしたんだよ)

 

信長「俺の配下の者に手を出して、

ただで済むとは思っておらんだろうな…貴様ら」

敵達「っ…信長みずから出てくるとは…」

「退け!退け――!」

敵達は身を縮め、壊された戸口へとどっと殺到した。

(行かせるわけ、ないだろ)

隅に転がされていた自分の太刀を拾いあげると、敵を追って飛び出す。

痛みが麻痺していく中、逃げまどう敵を斬り倒し、走り、また斬り倒す。

背後から、光秀の鋭い声が響いてくる。

 

光秀「一人残らず捕らえろ。ただし、殺しはするなよ」

「この者立には聞きたいことが山ほどある」

味方の武士「はっ」

小屋から飛び出した敵を、待機していた織田軍の救出隊も迎え撃ち、乱戦になる。

(殺すな、か。確かにな)

(こんな奴ら…殺すだけじゃたりない)

「――逃がさないよ」

敵3「ぐわ…!?」

何人か斬ったか、もはやわからなくなった頃…

(……!あいつは……)

いつかの雨の日、姫を襲った浪人が目に入る。

(顔を隠してたけど、あの背格好……間違いない)

茂みに逃げ込むその男の後を追うと、その先で悲鳴に似た声が上がる。

 

浪人の声「お前は…信長の側女!?」

(……?なんだと)

(まさか……っ)

道をさえぎる木々が頬を打つのも構わず、

家康は声のする方へと走った。

浪人の声「このような場所に来るとは愚かな女だ…」

浪人「家康と信長に味方する者を、

ひとりでも殺して冥土へ行くとするか」

(っ……!)

駆け込んだ草地に、刀を振り上げる男と姫の姿が飛び込んでくる。

「姫!」

 

イケメン戦国 家康 彼目線ストーリー 5-3

家康は勢いを緩めずに走り、姫を背にかばい刀を受けた。

浪人「!?」

金属音が耳をつんざき、夜の森をざわめかせりあう。

浪人を睨み据え、考えるより先に低く唸るように叫ぶ。

「この女は関係ない」

(お前が関わっていいような女じゃない)

刀を構えながら、無意識に本音が胸に噴き出した。

 

(単純で、バカみたいに前向きで、無邪気に笑ってる、そんな姫が…)

(ひと時たりとも、こんな場所にいていいはずがない)

(怯えた顔を、もう見たくない)

姫「家康さん……!」

背中から届く声は、確かに姫のものだ。

(夢でも、幻でもなかった)

(さっき俺に刀を渡してくれたのは姫だったのか)

なぜここにいるのか、

どうして危険を冒して自分を助けたのか――

聞きたいことは山ほどあるけれど、

疑問を押さえつけ、家康は眼前に敵を見据えた。

 

(今はまず、こいつを倒す)

浪人「おのれ家康…!三河の裏切り者が、分もわきまえず……っ」

(三河の、裏切り者……?)

「まさか、お前達は――」

浪人「死んで償え…!」

問いかけを無視し、浪人が後ろへ飛びすさり、再び刀を振り上げた。

(っ……お前らだったのか)

「――なめるな」

相手が刀を振り降ろすより速く、

小太刀で相手の胴を真横に斬りつける。

浪人「ぐ、は……っ」

姫「あ……っ」

手から刀を取り落とし、浪人は重たげな音とともに地面へ倒れた。

浪人「こ、ろせ……っ」

(殺せ……?)

転がりうめく男を、冷ややかに見下ろす。

(さっきまでは……殺すつもりだった。いや……

殺しても足りないと思った)

(……だけど)

 

背中から、姫の息遣いが聞こえる。

頼りなげではかない、けれど温かな音が。

(こいつに構うより、姫を、ここから引き離さないと……)

満ちていた怒りが弱まって、家康は感情を込めずにつぶやいた。

「断る。せいぜい生きて、屈辱を味わいなよ」

呟きが終わらないうちに、浪人は意識を失い、動かなくなった。

「……今川の生き残りがいたとはね。驚かせてくれるな」

(俺を捕らえたやつらは全員……今川の残党だったのか)

自分の呼吸が乱れていることに、ふと気付く。

麻痺していた痛みがよみがあえり、襲い掛かった。

(っ……この痛みは……俺が、まいた種か)

光秀「――終わったぞ、ふたりとも」

(光秀さん……)

優雅な仕草で刀を収めながら、光秀が歩み寄る。

後ろから、武士たちを従え信長も姿を現した。

 

信長「無事か、家康」

「……はい、一応」

(――なんてざまだ。信長様まで、ここに来させるなんて)

光秀「敵は全員斬り上げた。奴らの素性と目的は、

城へ戻ってゆっくり聞くとしよう」

「……世話をかけて、すみません」

信長「貴様が謝るとは、珍しいこともあるものだな」

(……なんで、笑ってんですか。あんたは、怒れよ)

刀を下ろすと、無力感がつま先から這いのぼった。

全身が痛み、流したくもない嫌な汗が肌を伝う。

(何、やってんだ、俺は…)

 

イケメン戦国 家康 彼目線ストーリー 5-4

急に氷漬けになったように身体じゅうが冷え始めた。

(なんで、こんなに、まだ…)

(弱いんだ、俺)

姫「家康さん、あの――」

「……っ」

ふっと力がぬけ、膝からがくっと崩れ落ちる。

信長・光秀「……!」

姫「家康さん……っ」

姫が青ざめた顔で駆けよって膝をつき、倒れかけた身体を支えた。

姫「家康さん、しっかりしてください!」

(姫…)

凍えそうな寒さの中で、姫が触れている箇所だけが温かい

(やっぱり、夢じゃ、なさそうだな……)

「ねえ…姫……」

姫「え…」

姫の腕の中で、力が抜けていくの感じながら、

せめてもの思いで視線を上げる。

「何で……ここに、いるんだよ」

(あんたに、こんな血なまぐさい場所、まるで似合わないのに)

 

「すみません……っ」

「………」

(なんで謝るの……)

姫「大して力になれないのは、わかってたんですけど…」

「少しでも何かしたくて、家康さんの、そばにいきたくて…っ」

「姫…」

感覚のない手が、引き寄せられるように姫の頬へと伸びる。

「――ほんとバカだね」

姫「あ……」

一瞬、温かな頬に触れるけど…

伸ばした手はすぐに、力なく垂れ下がった。

「家康さん――!」

(姫が…ケガ、してなくてよかった)

薄れていく意識の中、家康は姫の叫び声だけを聞いていた。

…………

――姫が織田軍とともに、

意識を失った家康を連れ撤退を始めた頃。

森の奥深くにうごめく人影があった。

顕如「――よくぞ戻った。今川の残党は信長に捕まったようだな」

顕如の部下「……はい」

家康を捕らえた一派にまぎれ、

途中で戦から離脱してきた顕如の部下が答えた。

顕如「信長と家康を恨みながら身を持ち崩した浪人どもに、仕事をくれてやってはみたが…」

「我らとの契約を投げだし私恨に走ったか」

 

「憎しみに目がくらみ暴走し、復讐を遂げもせず、捕まるとは使えん奴らだったな」

顕如の部下「ひとつだけ、収穫が」

「信長が連れていた女の名がわかりました。姫と申すもので…」

「信長のみならず、家康や光秀までも籠愛を受けているようです」

検挙「ほう…。織田軍の奥深くまで入りこんでいる毒婦か」

「小娘に見えたが、末恐ろしいものだな」

「――少し、料理の仕方を変えることとするか」

 

イケメン戦国 家康 彼目線ストーリー 5-5

顕如の部下「と仰いますと…?」

顕如「東方にも、我らの役に立ちそうな者どもが現れたという報が先日届いた」

顔の傷を歪ませ、顕如は暗い笑みを浮かべた。

顕如「あの鬼をいっそう苦しませるため、龍と虎にも、

この手の上で踊ってもらおう」

………

姫「熱が全然下がらない…」

家康の額に置いた布を、姫はそっと取り上げた。

冷えた水に布をくぐらせ、固く絞り、取り替える。

はがゆさに耐えかねて、姫はきつく唇を噛んだ。

家康の救出劇から丸一日が経ち、また夜がきた。

 

家康は、安土へ戻ってすぐに手当てを受け…自室へ運ばれ寝かされているけれど。

いまだ意識がもどらない。

三成が呼び出した医者は、家康をかなり危険な状態だと診断した。

姫は頼み込んで付き添い役についたものの、家康の呼吸は安定しないままだ。

 

信長と光秀、三成は、城で家康の回復の知らせを待っている。

政宗と秀吉にも伝令が送られ、二人もじっと家康の目覚めを待っていた。

家康の家臣は一堂、眠れずに何度目かの朝を迎えた。

姫「家康さん、皆、心配してます。どうか…目を開けてください」

姫が呼び掛けても、荒い呼吸が聞こえるだけで返事はない。

ふと医者の診断を思い返し、姫は布団の端をきつく握った。

ケガの状況から、家康は――あえて殺されずに生かされ、

痛みを与えることを目的に、長時間なぶられ続けたのだとわかっている。

「なんで、そんなひどいこと…っ」

 

苦しげな呟きと同時に、涙が姫の頬を伝い、したたった。

「家康さん……っ」

………

(…あ…れ…)

頬を温かな雫が濡らし、家康は、ふっと目を覚ました。

「ん……」

「家康さん!?」

「姫……?」

 

以上が、イケメン戦国家康の第5話前半の彼目線ストーリーでした!

第2話の彼目線ストーリーではもう姫のこと気になってるというか好きな感じだったけど、自覚はなかったんですよね。

今回ので自覚したって感じです(*´ω`*)

1週目の時は8話ぐらいで家康ももう好きなんかな?
って思ったけど、もっと早かったなんて!
好感度が上がる一方なんだがw

 

そしてこのように彼目線ストーリーが読みたい!

場合は、情熱ルート、幸福ルートどちらかを攻略した後、

残っているルートを攻略している途中に彼目線ストーリーを見ることができます。